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2015.07.14(Tue) DJ SHOTA 音楽コラム

ストリーミングで自由に聴き放題!? 定額制音楽配信サービスが流行る中、私たちは音楽とどう向き合えばよいか?

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シンプルだけど考えれば考えるほど深い質問です。最初に少し考えてみてください。
「みなさんにとって、音楽の存在って一体どのようなものですか?」

今回の記事では、最近流行りの「AWA」や「Apple Music」などの定額制音楽ストリーミング配信サービスの登場は何をもたらすのか、またそれによって音楽シーンが今どのように影響を受けているのかをぜひみなさんに知っていただきたいと思います。

音楽はどのようにして私たちに届けられてきたか?

1.) レコードやCDを買う時代: アナログ

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出典:flikr

今ではもうなかなかピンときませんが、レコード屋に行って気に入ったレコードを買うという時代がありました。
レコードは1枚1000円程度、しかもなかなか手に入らなかったりして、レコードの価値は高かったようです。
お金に余裕のない学生はなかなか簡単に何枚も買うことができず、レコード1枚1枚にかける特別な思いというのがありました。

DJも昔はレコードでプレイする時代でしたから、DJするたびに何十枚もクラブに持っていくのが当たり前でした。
若手の後輩DJは「レコ持ち」と言って、先輩DJの使うレコードを代わりに持つことで先輩の下で勉強させてもらっていました。

CDが登場すると、CDの普及率も高まり、より音楽が日常生活の中で身近になっていきました。
1990年代後半、日本ではCDの売上が過去最高の5,800億円を記録。

音楽プレーヤーの話をすると、CDの楽曲をテープにダビングして「ウォークマン」に入れて持ち歩くのが流行りました。
これによって移動中などどこでも自分の好きな音楽を聴くことができるようになったのです。

さらに、ウォークマンを正方形サイズにもっとコンパクト化した「MD」という音楽プレーヤーが登場。
ませガキだった私は、小学生の頃MDを持って受験塾に通っていた思い出があります。笑

2.) 音楽をダウンロードする時代: デジタル

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出典:Stack Exchange

常識を大きく変えたのが、「iTunes」や「iPod」の出現です。
PCの普及率が高まり、PC上の「iTunes」というアプリケーションで楽曲を一括管理するのが主流になってきました。
これは、”音楽のデジタル化”と呼ばれています。
買ったCDも、PCに読み込んで「iTunes」に入れて管理する時代になったのです。

「iTunes」では、楽曲を管理する以外に、デジタル音源をダウンロードすることも可能になりました。
iTunes Storeではシングルが1曲200円程度、アルバムも1000円から2000円程度でダウンロードできます。
さらに便利なのは、アルバムも全曲買う必要はなく、欲しい曲だけピックアップして買うことができるんですね。

iTunesの登場によって、CDを買う人はどんどん減り、俗にいう「CDが売れない時代」が到来しました。

3.) 音楽にアクセスする時代: クラウド

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出典:DJ HACKs

ここらへんから最近のトピックに迫っていきます。
どの業界でも近年ホットなワードである「Cloud (クラウド)」。

クラウドとは何かと言うと、大量のデータをネット上で管理し、いろいろなデバイスを使うことによってそのデータにいつでもどこでもアクセスできるという画期的な仕組みです。
スマートフォンをお使いの方はすぐピンとくると思います。iCloudなどはみなさんお使いですよね。

“音楽×クラウド”としてまず先に思いつくのは、「YouTube」でしょう。
YouTube上にはアップロードされた動画や音楽が膨大な数あり、いつでも・どこでも・誰でも無料でアクセスすることができます。
聴きたい音楽があったら、CDを買ったりダウンロードしたりしなくても、YouTubeで検索すれば聴けてしまう時代。
言うなれば、音楽においても利便性をとことん追求した時代ですね。

今盛りに盛り上がっているEDMフェスも、YouTubeなどの動画サービスを通じて成長してきたわけです。
ネットの力がなかったら、全世界中の音楽ファンが注目するEDMフェスやEDMスターの誕生はありえなかったでしょう。

そしてやっとこの記事の本題である、今まさに業界が注目する最新キーワード「定額制音楽配信サービス: ストリーミング」が登場します。

音楽ストリーミング配信サービスの登場が新たに示した方向性

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出典:mobilelaby

定額制音楽配信サービスとは何か。
元々海外で流行り始めたモデルで、「Spotify」など大成功をおさめたサービスが思い当たるでしょう。

月額1000円程度払えば、どんな音楽でも自由に聴き放題ですよ、という新たなサービスです。
「AWA」や「APPLE MUSIC」、「LINE MUSIC」などがこれにあたり、これらのイケてるサービスを使い始めている人も今では多いはず。

ここからは、この「音楽ストリーミング配信」という新しい形のサービスが一体何をもたらしたのか、ということに迫っていきます。

音楽を「所有」する時代から音楽を「利用」する時代へ

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出典:delaymania

「所有」から「利用」へ。かっこよくてキャッチーなネーミングですよね!
今までは、音楽を所有するのが普通でした。音楽を持っていなければ自由に聴くことができません。

しかし、YouTubeの台頭をきっかけに、音楽を所有しなくてもネット上でアクセスすれば聴くことができるようになります。
それに時代はさらに便利な方向に進み、iPhoneなどのデバイスの高速通信が可能になったのでスマホでもYouTubeを見ることができます。

パケットを大量に使いすぎて携帯会社から「あなたは今日から速度制限です。」と宣告されてしまうのだけがこわいですが。笑

利便性を追求するあまり、現代人の「音楽を所有する」という感覚が薄れてきてしまっていることは間違いないでしょう。
何か古き良き大切なものを失っていくような気持ちになってしまう気がどこかでありますね。

音楽はライブハウスやフェスなど”リアル”でたのしむのが主流?

このツイートが自分のタイムラインに回ってきて、たしかになと思いました。
AWAとAPPLE MUSIC、どちらもベースとなっている画像がライブやフェスのハンズアップしている様子を表しています。
実際にライブやフェスに参加して、その場の雰囲気とともに”音楽を体感”するという楽しみ方ですね。
日本でのEDMフェス「ULTRA JAPAN」の盛り上がりを見ていても、その楽しみ方が王道になってきているのはすぐわかります。

定額制音楽配信サービスは、これからライブやフェスなどとも連動していくことになるのでしょう。
「Shazam」などの曲検索のアプリとも連携したらさらに便利になっちゃいますね。

それぞれの目線で見る、音楽ストリーミング配信サービスの出現

1.) ユーザー目線から考える

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出典:hdwallsource.com

月額1000円で聴き放題、みなさんからしたらどうですか?
安いと感じますか?高いと感じますか?

どちらにせよ、アプリ内にある曲すべてが聴き放題というのはとても便利ですよね!
スマホから直接曲を聴くことができるため、曲をiTunesでダウンロードして、PCにスマホをつないでスマホ内に取り込む、、、なんて少しめんどくさい作業が必要なくなります。
いまだにiTuneの同期設定がよくわからないんだよねっていうユーザーにもやさしいですね。笑

AWAでは自分だけのプレイリストをつくることができ、それを友達にも公開することだってできます
APPLE MUSICでは「はじめての○○」という機能があり、そのアーティストの定番曲やおすすめ曲をまとめて聴くことができます

しかし、それでもやっぱりお気に入りの音楽はCDで買いたいという方も少なくはないでしょう。
部屋にCDを飾りたいなどの目的がある方にとっては、CDで買うことに意味があるのです。
また、アーティストやアイドルのファンの方は、彼らのためにCDを買うことで応援したい・貢献したいという思いもありますよね。
AKBの人気総選挙では、選挙権がCDを購入することでついてくるため、AKBファンたちはこぞってCDを買い漁ることはみなさんもよくご存じでしょう。

2.) アーティスト・レコード会社目線から考える

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出典:DJ HACKs

アーティスト

ストリーミングが始まって一番危機感を感じているのは、アーティストでしょう。
現に有名なニュースとして、世界的歌手のテイラー・スウィフトがAPPLE MUSICに対して抗議してましたよね。

どのストリーミングアプリにも無料トライアル期間という無料で聴き放題できるお試し期間があります。
ユーザー側やアプリ側はよくても、アーティストにとっては「無料で音楽を聴き放題できてしまうのは不利ではないか?」と思ってしまいますよね。

それにストリーミングアプリでは、CDが売れるよりもアーティストへの対価がかなり少ないそうです。
CDが売れない、iTunes配信が売れないだけでなく、対価も少ないのであれば、アーティストへの打撃は大きいでしょう。
特にネームバリューのない若手・新人アーティストたちは大変そうですね。

いろいろな音楽に触れる機会が保証されるため、アーティストにとってチャンスは広がると思いますが、食べていく方の心配も同時にしなくてはなりません

DJ

DJ目線でいうと、ミックスCDの売り上げがガクっと下がることになりかねません。
ミックスCDに付加価値をつけて販売したり、ミックスCDを通じてその先のちがう何かに広げたり、という時代になるのでしょうか。

レコード会社

一方、レコード会社はこの状況をよりポジティブに見ているようです。
実は日本の大手レコード会社のavexやSONYは、この音楽ストリーミング配信ブームの火付け役でもあるのです。
音楽業界の市場が狭くなってきている中、音楽シーンの”救世主”としてこのサービスを掲げています。

よくよく考えたら、YouTubeなんて無料でアクセスし放題・聴き放題ですからね。
それに比べたらこのようなサービスでお金をユーザーから取れる方が確実にいいでしょう。

3.) メディア目線から考える

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最後に、メディア目線で考えたいと思います。

音楽メディアというのは、アーティストの音楽を一般ユーザーに届けるのをサポートする役割があります。
音楽情報をメディアが取り上げ、それを見たユーザーが「この曲いいな!」と感じて曲を好きになったり購入したり。

音楽を伝える手段という立ち位置でメディアというのは存在します。
このDJ HACKsもそのうちのひとつです。

音楽ストリーミング配信サービスの出現によって、ユーザーがいろいろな音楽に出会える機会が増えることになりました。
ランキングを見れば流行りがわかるし、好きな曲の似た曲を紹介する機能もあるし、レコメンド紹介もあるし。
ですので、以前はメディアが持っていたその役割が、だんだんとそっちのアプリ側に移行していくのではないかと思っています。

いろいろな音楽を聴くことができる反面、自分の好みの曲しか聴かなくなってしまうケースも多くなってくるでしょう。
そこがメディアの一番の出番だと思っていて、いろいろなジャンルの音楽をいかに情熱をもって紹介できるかが勝負なのです。

「伝える」ということが何より一番大事で、なぜおすすめなのかを伝えたり、曲にどのような背景があるのかを伝えたりするのがメディアのアイデンティティになってくるのではないかと踏んでいます。

まとめ: 音楽の価値を伝えていくために、音楽業界はどうしていくべきか?

実はこの記事を書くにいたったきっかけというのも、7月7日(火)放送のNHK番組「クローズアップ現代」にて「あなたは音楽をどう愛す? ~新・配信ビジネスの衝撃~」という番組を見たからなんです。
定額制音楽配信サービスというのが最近流行っているなーというのは知っていたのですが、この番組で今音楽業界が置かれている状況を詳しく理解したんですね。

これはみなさんにもぜひ知っておいてもらいたいと思い、自分なりに記事にしてまとめてみました。

ゲストのピーター・バラカンさんは番組の最後にこう言っています。

僕も35年間ずっとラジオのDJをやってるんですけど、自分の番組では本当にいいと思っている音楽を情熱を持って紹介すると、その情熱はやっぱりリスナーに伝わるんですね。その音楽がたぶん、よく聴こえてくるかもしれません。

だからね、メディアに携わっている人たちが、もっともっとたくさんいろんな音楽を聴いて、自分の感覚で本当にいいと思うものを紹介すれば、そうそう捨てたものじゃないです。ものすごく多様なミュージシャンたちが世の中にたくさんいますから。

一般のみなさんに伝える手段としてのメディアがこれからもっともっと頑張らなきゃいけないというのは、DJ HACKsを運営する私も感じていることです。
このDJ HACKsというメディアをつくったきっかけも、いちDJとして、お客さんに音楽やクラブのよさをもっとうまく伝えていきたいという思いからでした。

さて、本題中の本題「定額制音楽配信サービスが流行る中、音楽の価値をどう伝えていくか?」ということですが、自分なりの意見があります。

音楽とこうやって付き合っていきたい!
1.) いろいろなジャンル・テイストの音楽を積極的に聴き倒していこう!

あなたのまだ知らないすばらしい音楽は山ほどあります。
せっかく自由に聴き放題なのですから、いろいろ聴いてみましょう!
メディアとしては、情熱を持って曲の良さを紹介したり、わかりやすく紹介したりしたいところ。

2.) アーティストや関係者のことも忘れずに!ライブやフェスに参加しよう!

音楽はタダでは作れません。いろいろな人の苦労の上にできあがっています。
アーティストもレコード会社も食っていける状態が一番ベストですよね。ぜひこのことを頭の片隅にでも!
そしてライブやフェスに積極的に参加して、アーティストを応援するのもいいですね。
普段安いお金を払って音楽聴き放題な分、フェスでは高いお金を払って非日常な音楽体験をしましょう!

これからも時代はどんどんと変化していくと思います。
その都度その都度、大事なことを忘れないように、音楽との関わり方を見つめ直していけたらいいですね!

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WRITER
DJ SHOTA
“DJとお客さんの架け橋になる” そんな思いを込めてスタートしたDJ HACKsがいつの間にか月間60万PVを達成。Googleでの「EDM」検索順位1位と絶大な支持を集めるようになっていった。 そしてDJ HACKsの成長と共にDJ SHOTAは2015年夏、DJ歴2年という異例のスピードで世界でも最大規模の野外フェス「electric Zoo Beach Tokyo」へ出演を果たす。 さらに2015年リリースしたEDM BEST MIXはiTunesチャート2位を記録するなど勢いを見せた。 2016年1月にはメイドインジャパンの国内最大EDMフェスティバル「electrox」にて若手ながら単独でオープニングアクトに大抜擢され一躍注目を集めた。 DJ HACKsでのあらゆる音楽を追求する姿勢はプレイスタイルにもダイレクトに反映され、まさに架け橋の如く様々なジャンルの”GOOD MUSIC”を繋いでいく。そのオープンフォーマットなスタイルを武器に多様なお客さんを踊らせ続け現場での支持率も急上昇中である。 DJとして音楽をプレイし、ライターとして音楽の良さを伝える、まさに次世代型ともいえるクロスオーバーはすべてにおいて新しく、未知なる可能性を秘めたDJ SHOTAの活躍に今後目が離せない。
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